南欧風、アーリーアメリカン、純和風から廃墟風まで、さまざまなシチュエーションを提供してくれるハウススタジオ。セットを作ったり家具などを用意しなくても、そこに行けば欲しいイメージがある。
ハウススタジオは大きく分けて2タイプ。撮影専用に建てられたものと、もともと住居として使われていた家屋や、工場、学校をハウススタジオとして転用したもの。
基本的に前者は、ひとつのスタジオでも壁面やインテリアデザインが変化に富み、アングルバリエーションが豊富。雑誌のファ ッションページやカタログ撮影に使われることが多い。後者は逆に建物／スタジオの空間がひとつのイメージで統一されているため、ドラマなどに使われたり、工場跡など特徴のある空間は PVなどにも使われる。
また多くのハウススタジオは、採光の良さを謳っている。人工光源の白ホリに対し、いかに自然光を使いこなすかがポイントだ。
上の写真はスタジオスタンダード／玉堤Ast
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一軒家スタジオ
洋館・日本家屋などの一軒家を改装したスタジオ
豪奢な洋館や、趣のある日本家屋など、もともとの建物を改装して撮影用にしたスタジオ。人の気配が色濃く残り、さっきまで誰かが住んでいたような雰囲気が特徴だ。ドラマや映画などの撮影でも、重宝されている。ストーリーのある撮影や、時代設定のある撮影で使用したいスタジオだ。
和風建築の一軒家スタジオ。着物でのモデル撮影やドラマの撮影に使用できる。
ガラス屋根のスタジオ
傾斜したガラス窓から光が降り注ぐ
大型自然光スタジオ
人工照明がなかった昔、街の写真館は斜め窓から入る自然光でポートレイトを撮っていた。そんなスタジオ写真の原点のような撮影をできるのが、大きなガラス屋根を持つスタジオ。ハウスタイプのスタジオだが、壁も床もシンプルな白。いわば「自然光の白ホリ」だ。家具などを自然光で撮る時にも、あらかじめ用意されたハウスシチュエーションや室内イメージが必要ない場合、この何もない自然光空間が重宝される。
15.5×14mの部屋全体がガラス屋根。斜幕で採光をコントロールする。
キッチンスタジオ
調理と撮影が同時にできるスタジオ
料理撮影が可能なキッチンスタジオは、主に白ホリスタジオタイプとハウススタジオタイプの2タイプに分けられる。白ホリスタジオタイプは、料理をライティングして撮ることを目的としたスタジオ。通常のスタジオに、キッチンが併設されていて、作った料理をセットに入れてすばやく撮影することに向いている。ハウススタジオタイプは自然光をふんだんに取り入れたキッチンシチュエーションが用意されているスタジオ。料理を作っているシーンや、料理を並べたテーブルイメージも撮影できる。そのため、料理番組の撮影や、著名な料理研究家の料理教室にも使用されることが多い。
写真はスタジオD21のD Studio。
写真は STUDIO ピア Bayside。
